先月から今月の花を再開させた。
息子が生まれ3ヶ月が経ち、ようやく三人での暮らしに少し慣れてき。あくまで少し慣れてきただけで、目まぐるしさにさほど変化はないかもしれない。けれど、僕も妻も心に余裕がチラッと見えてきた。
久しぶりに花屋に寄って切り花を一本持ち帰る。花を乗せて運転する感覚はやっぱりいいものだ。
「うちはパパが毎月 お花を買ってきてくれるんだよ。嬉しいねぇ」
妻は、喃語を喋りはじめたばかりの息子にそう言った。
今年も実家の柿が豊作だ。秋になると他所からも柿をもらうけど、実家の柿がいちばん甘い。剪定や肥料もくれずほったらかしにしているのに毎年甘い実をつけてくれる。一般的に柿の木というのは手を掛けなくても甘くなるのか、それとも実家の柿の素の力によるものなんだろうか。どちらにせよ、甘く実ってくれて家族が美味しく頂けたら満足なんです。
柿を音符に見立て、背景の電線を五線譜のように撮れないものかと思ってみたものの、枝の主張が強めだった。奇をてらうよりバチコーンと王道をいくのがいいのかな。色んな事に思いを巡らせたくなるのはきっと秋のせいなんだろう。
息子誕生の内祝いを渡すため、親戚のおじさんの所に行ってきた。贈り物を渡し、話に区切りがついたので「じゃぁそろそろ…」と お暇しようと思ったら「せっかくだから記念に一枚撮ろうと」おじさんに促され妻と息子と記念撮影することになった。3人で写っている写真が少ない事もありおじさんの提案が嬉しかった。ハイチーズの掛け声で撮る写真というのは、やはりいいもんだ。今でこそ写真は趣味という認識を持っているが、写真は家族の記録として、僕が生まれてからずっと身近にあるものだった。
「よく撮れた?」どんな感じに撮れているのか見せてもらおうとおじさんに尋ねると
「これフィルムだから分からないんだ」と予想外の返事が返ってきた。カメラを見せてもらったが、あいにくカメラに詳しくないので機種は分からないが割と新し目なコンパクトフィルムカメラという分類になるはず。おじさんは趣味で写真をやっているわけでも、最近のインスタブームに乗っかったわけでもなく、ただ昔から使ってるからという理由だけで今もフィルムカメラで家族写真を撮っているそうだ。
趣味ではなく、仕事でもない。フィルムかデジタルかとかそんな事ではなく、ただ記録を残すことが目的。シンプルでいい。自分の好きな写真を撮るために、構図や露出を考えて いい写真を撮ろうと息巻くたびに、それと引き換えに身近にあったはずの写真を遠ざけてしまっていたかもしれない。家族や周りの人たちとの記録写真をもっと撮ろう。考える前にシャッターを切ったらいいんだ。
温泉街、農村、木造校舎など地域の景色の中に芸術作品が展示されているんですが、芸術作品と地域の生活が混ざり合い、その境界線が曖昧な様子が僕は好きです。芸術と言われると取っ付きにくさがありますが、楽しい、面白い、よく分からないという具合に自分の中で何かしら感情が動けば十分その作品を鑑賞できたと言っていいんじゃないでしょうか。
今シーズンは息子誕生でテンヤワンヤなので行けませんが、来シーズンは行きたいなぁ。そんな希望を胸に、前シーズンの様子をどうぞ。
友人たちと行って来たのですが、人によって見てるポイントが違うのでその差を知ることも面白かったです。最初に回ったのはビエンナーレの総合案内があるエリア。街中で実際に営業してる店舗や工場が展示場所や作品そのものにらなっていたりするので、街に溶け込んだ作品を見つける瞬間も楽しめました。
中之条という地域、とても広いので一日で全ての展示エリアを回るのは厳しいかもしれません。そんな時はビエンナーレのエリア内はいくつか温泉地が含まれています。その中の一つ、四万温泉に泊まるのもいいと思います。四万と書いてシマと読みます。この四万温泉の素晴らしさについては、maeさんの記事を見て頂ければ伝わると思います。こんなにも群馬を褒めて頂けて嬉しかったです。
四万温泉の歴史は長く、街並みもいい感じの経年変化があります。温泉宿は老舗旅館が多いのですが、きちんと今のニーズに合わせて動いてる感じがしてその辺も好感が持てます。
そしてこの辺の写真から学校をそのまま展示の場にしたエリアです。卒業してしまうと学校に行くなんて機会はほぼないので校舎の中に入るだけで昂ぶりました。最近は防犯上の理由もあって卒業生でも気軽に学校に立ち寄ることが出来ないのでそういう意味も含めて楽しかったです。
教室が一つの展示スペースになっているので、一気に沢山の作家さんの作品を鑑賞するには学校がいいかも知れません。ビエンナーレ内に2.3箇所くらい学校を舞台にした作品があったと思います。
ぜひ次のビエンナーレへ。群馬が待っています。
今朝コンビニに寄った時のこと。僕の前に3、4歳くらいの男の子とお母さんがレジに並んでいた。その親子の会計の番になると、男の子が「これください」と言いながら商品をレジの台に置いた。こういう所なんだろうな、と朝から気付かされた。きっとお母さんが普段から挨拶とか礼儀とかきちんとできる人なんだろうな。
買い物をするとき、商品を渡し、金を払い、商品を受け取るまでの流れが当たり前になっているけど、そもそもこれは当たり前の事じゃない。商品を選んで、値段を見て店員に声掛けて……教えることたらけだ。そう考えると普段僕がやっている会計の仕方って結構ぶっきら棒というか冷たいし雑だと感じた。
「これください」とまで言えなくても会計前に「お願いします」の一言くらいは添えられる男にならないといけないな。よく、親は子に育てられる、と言うけれどこういうことか。そして育ててくれるのは我が子だけではなく周りの親子も新米父ちゃんを育ててくれる存在なんだと気付かされた。小さいながらも立派な男の背中をしている少年だった。
「お願いします」