今日は1日中 風の話題一色だった。朝から洗濯物は吹き飛ぶし、実家の物置からベニヤが飛んでいったらしい。運転中も車体ごと強風に煽られた。関東では昨日 春一番が吹いたらしい。春一番。いい言葉だな。
毎年、今くらいの時期に強い風に吹かれると思い出す日がある。写真のExifを確認すると2011年3月9日とある。当時勤めていた会社は、平日休みで、他の友人とは予定が合いにくいから休日はたいてい同期で遊んでいた。おそらく、レミオロメンの3月9日が車のステレオから流れていたと思う。時は平成、3月9日はレミオロメンを聴く。そういう世の中だった。なんなら今週の木曜にも聴こうじゃないか。
たまたま僕ともう一人がカメラを持っていて、楽しそうだからみんなもカメラ買おうってことで同期8人中、7人がカメラを買うに至った。あいつは最後まで写真に興味がなくて心の目で見てるのよ、とか言ってた。そういう若く楽しい日々が僕にもあった。
この日は、みんなで箕郷梅林へ写真を撮りに行った。
シャッタースピード、1/30秒。シャッターを切った瞬間から思い出が焼き付いた。当時はそんな感想を持ったと思う。意図せず、この日の風と陽気が写っている気さえする。
少し高台になっていて梅林と山の麓が見渡せていい眺めだった。いくら待っても風が落ち着くことはなく、むしろ強さを増す一方だった。もう切り上げてカラオケにでも行こうということになった。きっとレミオロメンを唄ったんだと思います、3月9日を。
じゃぁ駐車場に向かおうってことになった時、「山の方を見て!黄色い!」と一人が大きな声で叫んだ。言われるまま山の方を見ると風に乗って黄色い波みたいなものがこっちに向かってきた。スギ花粉だった。花粉症の人は見たくないニュース映像に挙げるであろうアレだ。粉っぽさ満点の花粉の濁流を僕は全身で浴びた。
この日を境に、僕は花粉症になった。たぶん。
この先も鼻がズビズビ目がショボショボするたびに、この年の3月9日を思い出すはずだ。
このレンズを使ってたんだなぁ。懐かしい。