朝焼け3.7

目の届く範囲の、日記みたいな写真を撮っています。

川越巡業 千秋楽

川越写真散歩、千秋楽です。

 

花粉と子どもからもらった風邪でヒーコラ言っていたら、繁忙期の職場で異次元の人事異動があってちょっと心ここにあらずという日が続いている。そんな年度末も、この日の思い出でなんとか乗り越えていってみせよう。

 

 

観光地らしい写真は時の鐘くらいで、あとは遠巻きに往来を撮ったり、路地の佇まいや道の上に落ちる光と陰を追いかけた。

 

この世の中で、思わず目を覆いたくなるものの一つに おじさん同士の謙遜合戦というのがある。今日はもちろんそんな不毛な合戦はやらない。褒め合いたたえ合う(心から)そういうのがやっぱりいいんだと実感できた。

 

めじろさんの 自作ストラップ めじろシステム がまさに機能美って感じがしてかっこよかった。機能美って感じるくらいだから、ほんとに合理的で、かつ見た目がいい。このストラップを作る(組む)ワークショップがあったら参加したい。

 

 

 

結構な枚数撮ったけれど、個人的な感覚としてはお二人の撮り方を見ていた時間が多かった気がする。『なるほど、そう撮るか!』という発見と、SNS等を介して見ているお二人の『写真ができるまで』の裏側を拝見している感覚が楽しかった。

 

ウナギの腹ごなしも済んで、そろそろ座って休みたい。三十路を過ぎた3人のおじさんは休憩処を探しはじめる。


たどり着いたのはこちら。

www.kyounogohan-yururicafe.com

お店の佇まいが、ちょうどいいオシャレ具合。ここで一息つけたら最高だよなって雰囲気だった。早速、しんいちさんが単騎突入して席を確保してくれた。

 

写真の話からはじまってカメラの話を経由して結局 子どもの話にいきつく。それを何周かした気がする。同じような視点で暮らしている人が実在してんだ、という喜びと安心感があった。

この時、僕のこのブログというか日記について、「ホントは日記じゃなくてフォトヨドバシみたいに作例とレンズの使用感とかをさらっと書くのが理想だけど、日記みたいのしか書けないんです」と話すと、お二人が「ハシモトさんはそれがいい。日記がいいんです」と言ってくれたのが嬉しかった。

地上の星ならぬ、テーブル下の星。しんいちさんのスーパースター、大事に履き込んでいる感じがカッコよかったな。

 

 

聞けば、このお店、世間がコロナ禍に入るひと月前くらいに開店したらしく、当初はとても苦労されたみたいだった。それも話のネタにしちゃうオーナーさんの人柄が素敵だった。今度はランチを食べにこのお店にきたい。川越にくるついでに、というよりここに寄るついでに川越に。そんな気持ちにさせるお店だった。

納得のクチコミ。

 

お店を出ると、夕焼け小焼けが聞こえてきそうないい時間。

 

駅に向かうに連れて影が濃くなっていく。

「この時間に気軽に撮り歩けるなんて、いいですよね」めじろさんの言葉に気づかされたけど、そういえば普段なら風呂から夕食までの怒涛の時間帯だ。こういう時間の流れに乗っかるのは久しぶりだった。子どもと夕暮れ時の散歩に出ることはあるけれど、その時とは見るモノ撮るモノがやっぱり違う。

 

駅からのびる商店街まで戻ってきた。ちょうど地元の人たちがこの街に帰ってきた時間なんだろう。人の流れに逆らって僕たちは駅へと進む。歩きながら、また撮り合えたらいいですね、という約束をした。その土地土地の写真を撮って会いたい人に会いに行く、そんなことをしましょうね、と。握手をして手を振りながら僕は改札に入った。

 

群馬に近づくにつれ、車内も静かになり窓の外は灯りが少なくなっていく。椅子に座るとやっと足の疲れに気付いた。久しぶりにたくさん歩いて足が張っている。でもこれはいい疲労感だ。部活でいい試合をした日のそれと似てる。またやりたい、次はもっと。気持ちを前に向かせてくれる疲れだ。

こういう時は、疲れていてもお土産を買い忘れてはいけない。古くからそう決まっている。お土産は乗り換え駅で目星をつけておいたプリンを買った。崩れないように丁寧に、今日の思い出と一緒に日常へと持ち帰る。