朝焼け3.7

目の届く範囲の、日記みたいな写真を撮っています。

雷と露

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木曜の夜に娘からもらった風邪にやられ、息子と一緒に寝込んでいた。

あなたの風邪はどこから?『頭痛と腹痛、嘔気と熱』マトが多くて狙い撃ちできないわ。

 

ともあれ無事に復活して久々の出勤。月曜なんて慣らし運転もいいとこなのに、いつも以上に低速で始まる。業務はこなしたけれど、なんかあんまり進まなかった。

 


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すっきりしない月曜日。帰りの空も、降るんだか持つんだか白黒ハッキリしなかった。僕が玄関に入ったくらいで強く打ち付ける雨音が聞こえ出した。意外と気が利く月曜日。遠くで雷も鳴ってきて、群馬の夏って感じがしたなぁ。

風呂からあがると本格的に雷が鳴りはじめた。普段は妻の方に行く娘も、こういうときはちょっと僕の方に寄ってくる。僕の小指を掴んでコワイと言いながらオムライスをかき込む。「カミナリどーにかならないの?」と息子が言うのでとっておきを披露した。

「遠くの桑原 遠くの桑原」

雷を避けるおまじないだよ、と教えた。

 


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「遠くの桑原 遠くの桑原」

雷が鳴るとひぃばぁちゃんがよく唱えてた。線香を点けて、仏壇の前で小さい体をグッと更に小さく丸めて拝む。僕も一緒になって「とーくのくわばら、とーくのくわばら」と唱えた。その言葉の意味はよく分からなかったけど真面目に唱えてた。雷が落ち着くとひぃばぁちゃんは「純露」という飴をくれた。僕にとってのヴェルスターオリジナルが純露かもしれない。

この純露、ベッコウ飴の中に数個だけ紅茶味の飴が入っていた。紅茶に当たると嬉しかったな。よく多めに紅茶味をくれた。ばぁちゃん、優しかったな。雷が鳴ると思い出すのは、ひぃばぁちゃんとの思い出なんだなぁ。

そういえば、ひぃばぁちゃんは寝る前のお約束があって、広告で作ったメモ帳に日記を書いていた。よく日記を見ながらばぁちゃん目線で感じたことを教えてくれたなぁ。そのちょっとしたやり取りがとても楽しかったのを覚えている。今の今までひぃばぁちゃんの日記のことをすっかり忘れていた。子どもの頃は日記なんてまったく興味がなかったけど、いいもんだよな。


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「とーくのくわばら、とーくのくわばら」と言葉の意味は知らないけれど真面目に手を合わせる息子の様子を見ていたら、これってひぃばぁちゃんが見てた光景なんかな、と気付いてしまい、ちょっと泣きそうになってしまった。

遠くの桑原、遠くの桑原