朝焼け3.7

目の届く範囲の、日記みたいな写真を撮っています。

ドライブ・マイ・センチメンタル

終業時間の少し前に、PCの電源を切って机の上を片付けた。残り2、3分は時計の進みが随分遅く感じる。秒針と文字盤の数字がカチっと重なった瞬間、バッと立ち上がって、ダッと駆け出した。妻と子どもたちが先発で帰っている義実家へ向かう。

 

6時を回っても外が明るい。夕方でもまだまだ色々できそうだなぁと希望が持てるところに夏の優しさを感じる。日差しと気温ももうちょい優しく出来ないもんだろうか。エアコンを効かせていても西に向かって車を走らせているので太陽の熱を感じて暑い。そういうところだぞ、夏。

 

 


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旅のお供にコーヒーを加えるため、スタバに寄った。「これからお帰りですか?」と店員さんに声をかけられた。

はい、そうです。と言えばいいものの

「今から妻の実家に行くんです。先に子どもらが行ってるもんで」とバカ正直に答えてしまった。言ってすぐに返事に困るようなことを言っちゃったなぁと思った。

すると間髪入れずに「夏休みって感じがいいですよね」と気の利いた言葉を返してくれた。ありがとうございます、と言ってドライブスルーを出る。

きっと店員さんも「家族が集まる夏休み」を過ごしてきた人なんだろうなぁ。勝手に彼女の夏の記憶に思いを馳せた。

夏休み、実家の居間に親戚が集まって賑やかに喋ってるけど、なんだか静けさを感じた記憶がある。頭に入ってこない大人の会話。仏壇のおりんの音、誰も見てないテレビの再放送。音はするけど、確かに静かだった。

子どもだった時にしか体験できない夏だったんだろうな。受け取ったコーヒーを飲みながら、ちょっぴり夏のセンチメンタルに浸る。

 

 

 

 

車で1時間半の道のり。一人で義実家に向かうときはアルバムを聴くのにちょうどいい。最近は「Bling-Bang-Bang-Born」と「ライジンボルテッカーズラップ」を交互に聞く生活をしている。息子は一緒に唄ってよと言うけど早すぎて舌が回らんし、娘は僕が『コライドン タンドン ウオチルドン』と唄い出すと唄わないでと怒る。

『うーん、やれるかな?一緒にやってみよう♪』歌詞だけが一緒に唄おうと誘ってくれる。

みんなで車に乗ってるとやっぱり楽しいんだなぁ。一人の時にはそれがよく分かる。一人で運転できる時間があることも、それは大事で、両方そろって自分時間なんだろう。

 

社会人になりたての頃から、息子が生まれた前後の記憶を思い出しながら運転していると、意外に1時間半はあっと言う間だ。車を停めて外に出るとヒグラシが鳴いていた。かなり出来過ぎたシチュエーションにいよいよ僕のセンチメンタルのダムが決壊しそうだった。

ただいま、と言って玄関を開ける。おかえりと言って迎えてくれる義実家があることがありがたい。我が家の夏がはじまった。