朝焼け3.7

目の届く範囲の、日記みたいな写真を撮っています。

特別なプラム


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卒業記念樹、何を植えたか覚えている人はどれくらいいるんだろう。

忘れっぽい性格だけど、母と記念樹の注文書を眺めて一緒に選んだ記憶がある。僕がプラムを選ぶきっかけを作ったのは祖父だ。

祖父は温泉街へ営業にいく仕事だったので、ゆく先々の名品をお土産としてよく買ってきてくれた。プラムも確かその一つだった気がする。リンゴやミカンとはちょっと雰囲気が違って特別感があった。初孫だったのでそれはそれは可愛がってくれた。僕がプラムを気に入ったものだから、仕事先だけじゃなくスーパーなどで見かける度に買ってきてくれたのだった。

「じぃちゃんは僕のことすげぇ好きだから僕もじぃちゃんが大好き」子どもの頃ってのはこれが真理だ。そんでもってこれでいい。ヴェルタースオリジナルのCMじゃないけどさ、自分はじぃちゃんにとって特別な存在なのかも、なんてことを子どもながらに感じた。だからプラムはぼく僕にっとってヴェルタースオリジナルみたいな存在だった。

 

記念樹として植えてから20余年。木として認識していたけれど、実がなるってことを忘れていた。植えた最初の頃は実をつけなかったのかも知れない。この木って実がなるんだよなぁと認識しだしたのは畑をはじめた頃からだ。僕の目が野菜や果物の方に向くようになったからだろう。興味の幅が増えると視野も広がる。面白いことが増えていく。

そうなると俄然たべたい。けれど残念なことに、ここ数年は不作。実を付けたとしても、少ない実の大半は鳥のエサになっていた。

 

だけど、今年は違う。豊作だ。肥料は特にくれてない。きっと鳥に落とされたものや、隣に生えてる蜜柑が落ちたものが肥料になっているのかも知れない。試しに何個か採って食べてみることにした。

20年越しの初モノをいただく。一口食べて妻と思わず顔を見合わせた。これは自然と笑顔になっちゃう美味しさだった。

息子にも食べさせてあげたいな。

なぜなら、彼もまた特別な存在だからです。