朝焼け3.7

目の届く範囲の、日記みたいな写真を撮っています。

あの時のブルース


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玄関を出たところで足を止めた。金木犀だ。ひとの足を止める香りというのもそう多くはない。いい匂いだねぇ、と娘に言うと「いぃにおーい」と返してくれた。それだけで温かい気持ちになる。

 

この香りはどんな言葉で表現するのがふさわしいんだろう。『金木犀の香り」という言葉の力だけでも、人それぞれの琴線に触れるナニカを思い起こさせる。温かな安心感と少しばかりの切なさが一緒に漂ってくるような…とても一つの感情では表現できない。


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ところが、この表現し難い感情、心持ちを一言で言い表す言葉を10年前に友人たちと見つけた。

それは『沁みる(シミル)』

僕らは10年前まで、会社の同期として一緒に汗をかいた。やりきれないこと、仕事の不条理、恋、将来。単純に白黒つけられない心模様をして僕たちは『沁みるなぁ』とぼやいていた。何を隠そう、今まさにその当時のことを思い出している僕のこの状況こそかなり沁みる。みんな今頃なにしてるんだろう。今日あたり、みんなも金木犀の話をしているかもしれないな。

 

 

 

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