朝焼け3.7

目の届く範囲の、日記みたいな写真を撮っています。

これなーに

風呂上り服も着ないで逃げ回る子どもたち。冬場は風邪をひかせてなるものかと躍起になって着替えさせていたけれど、5月ともなればふざける余裕が出てくる。

 

ワチャワチャしていると、妻が畑から野菜を採ってくると言った。それを聞いた湯上りパンイチ軍団が着替えもせずに外に出ようとした。さすがに着替えておくれよ。

 

庭に出るといいタイミングで風が吹く。火照った体に気持ちいい。息子は妻を手伝って一緒に野菜を採るという。僕に おんぶされている娘は野良猫を見つけて「ニャンニャンいる」と興奮気味に指をさし、そちらに行けと両足をばたつかせた。乗馬の際に馬の腹を足で小突いて進めの合図を出す、あれに近いなぁと思った。

結局、僕たちの姿を見て猫は逃げてしまった。野菜の収穫はもう終わったようだったけど、僕と娘はもう少しだけ庭をぶらぶらすることにした。一歩進むごとに娘が「これなーに」と聞いてくる。庭の草木や見上げた空、湿った土に汚れたクツ。ふだん僕が撮るものと変わらない。

 

「これなーに?」と聞くとき、子どもの目にはどんな風に写っているんだろう。もしかして、僕がシャッターを切る瞬間の「あ、いいな」と「これなーに」は同じ感覚なのかも知れない。そんな事を息子の時に思い至ってので、適当にあしらわないようにしている。時に答えたり、時には尋ねたり。「これなーに」のやり取りそのもの、目に映った光景、目に留めようと思った感覚を大切にしたい。

 

「ごはんだよー」と息子の声がしたので、娘と一緒に「はーい」と答えた。