朝焼け3.7

目の届く範囲の、日記みたいな写真を撮っています。

雨のち

今日のは春雨なのか、五月雨か。それとも季節外れの夕立か。

雨の匂いが立ち昇る間もなく、一気に降り始めた。時計を見るとちょうど妻が子どもたちを幼稚園に迎えに行ってる時間だった。嫌な時間に降るもんだ。しかもこの雨脚の強さには情緒がない。もう少し遠慮して しとしと降っちゃくれないもんだろうか。

 

いよいよ窓からの吹き込みが強くなってきたので、職場中の窓を閉めて回った。事務室に戻ってくると玄関の所に人だかりができていた。どうやら駐車場の車まで駆けていくタイミングを失った人たちが雨宿りしているらしい。外に出た瞬間ズブ濡れになるような雨脚だから雨宿りするのが正解だった。

 

そこに大量の傘の束を持った主任が颯爽とやってきた。傘を花に例えるのは知っているけれど、案外花束でもいけそうだ。雨宿りしていた人たちの目にはそう見えたかも知れない。職場で保管している持ち主不明の傘が、日の目を見た瞬間。傘も雨宿りをしていた人たちも天気とは裏腹にいい表情をしていた。

 

家に帰ってから雨に降られなかったか聞いてみると、車に乗り込んだ瞬間に大雨になったそうで事なきを得たらしい。なんなら家に帰ってから玄関先で子どもたちが泥遊びをしたらしい。まだ雨降っていたよね、と聞くと、勿論!と妻がたくましく答えた。怪獣2匹を征して洗濯物をギリギリで取り込み、泥んこ遊びの形跡を一切残さない手腕。子どもたちもとても楽しそうだった。

天晴だ。

「子どもたちにとって母ちゃんてのは太陽だから、お前は子どもたちが晴れ間を拝めるように動け」

結婚前に先輩から言われた一言を思い出した。