朝焼け3.7

目の届く範囲の、日記みたいな写真を撮っています。

雨と足踏み




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先月、家族で栃木へ旅行した。まずは日光東照宮を目指す。
天気が悪いのは予報を見て覚悟はしていたけれど、僕の覚悟と雨の本気度にちょっと食い違いがあった。

 

しとしと降る分には情緒もあっていいんだけれど、幼児2人を連れた上、雨脚が強まってきたので半べそかきたくなった。もちろん顔は笑って腹ん中で泣いている。

 

雨が引き出す色と艶。いいなぁ。もう少し、見惚れていたい気持ちもしたけれど、息子と雨脚にせかされる。

 

 

 

このところ、娘の我が強い。僕の抱っこは気にくわないらしく妻の下へと駆け出す。代わりに息子が抱っこをせがむ。よくできたシステムだ。

 

 

息子が妻のお腹の中に居るとき、二荒山神社にもお参りしたので、数年越しに鳥居をくぐりご挨拶。お腹の中に居た子が自分の意志で歩いている。5年はあっと言う間だ。息子は成長したし、娘に至っては誕生した。僕はと言うと、なんだろうな。物凄い急激な変化はないけれど、小さな変化を少しずつ重ねていった結果、ここにいる。

 

結局、どんな決断、変化があろうがその分岐点から現在地までは地続きだ。

 

 

娘が妻の抱っこから僕の抱っこへとチェンジを要求してきた。
娘の要求は飲む、一気だ。

 

僕の抱っこに飽きて降りたがったのでしばらく手をつないで歩いたらジャンプして水たまりに入った。娘よ、それはクツだ。長ぐつにあらず。靴下まで濡れてゴキゲン斜め。ちょっと斜めの角度がキツめのやつだった。

 

息子は水遊びが好きなので、雨でテンションが上がってる。気づくと離れた場所の用水路や水たまりに向かって水の流れを観察しているようだった。人が何かに夢中になっている姿は、それだけで引き付けられる。息子の写真は真正面から撮ったものと同じくらい横顔や後ろ姿が多い理由はそういう事かも知れない。カメラの方を向かなくていいから、そのまま目の前の光景に夢中になっていて欲しい。夢中になれることがあれば、この先も楽しいことが待っているよと伝えてあげたい。雨に降られている最中はそんな事を考える余裕はなかったけれど、この日の宿で寝顔と写真を交互に見ながら少し先の将来のことを想像した。

 

雨脚が弱まることがなく、子どもたちも疲れてしまったようで、この後に控えていた東照宮への参拝は見送った。たぶんこのまま進んでいたらゴキゲン斜めじゃ済んでいなかったかも知れない。いい判断だったんじゃないかな。その時がきたら自然とまた足が向くかも知れない。しょうがないんだよなぁ。

「しょうがない」の言葉に全部まかせて雨空にぶん投げるしかなかった。


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しょぼくれる僕の顔を見た妻が「ここまで付き合ってくれた二人に感謝しなきゃだね」と言った。その言葉で随分と気持ちが晴れたような気がした。