毎朝、田んぼの脇道に車を停めている謎のおじさんがいる。
この辺りの人じゃないだろうし、田んぼをやってる人でもない。毎朝子どもたちとおじさんの正体を予想しながら登園するのが最近のブームになっていた。
息子は、田んぼの様子を調べている特殊部隊の隊長かも知れないと予想している。娘は、おじさん屋さんではいかと睨んでいる(何じゃそりゃ)。おじさん屋さんかぁ、ショーケースにおじさんが陳列された様子を想像する。夢があるな。
今日もいるかなぁと道を進んでいくと、おじさんと制服を着た女の子がトランクから自転車を降ろしていた。謎のおじさんの正体は、娘さんを途中まで送ってあげるお父さんだった(想像)。
僕たちが毎朝見ていたのは娘を送り出した後、一息ついているところだったんだろうなぁ。謎のおじさんから一転、優しいお父さんだ。おじさんの前後の物語を想像してみると、おじさんの印象もガラッと変わるのが面白い。面白いと同時に物事を一つの方向からしか見ていなかったなぁと反省。かっこいいよ、おじさん。
僕だって、謎のおじさんとして認識されているかも知れない。僕がおじさん屋のショーケースに陳列されているのを想像している少年少女がいるかと思うと、頑張らなきゃなと気合が入る。