朝焼け3.7

目の届く範囲の、日記みたいな写真を撮っています。

遠花火

前橋花火大会は8月の第2土曜に開催される。花火を真近で見たことがない子どもたちを連れていきたくて、花火大会のポスターを目にした時からずっと楽しみにしていた。

 


f:id:NR03:20230814124738j:image


f:id:NR03:20230814124816j:image

今年の開催は8月12日。6年前の前橋花火も8月12日だった。数年前の8月の第2土曜の日にちを普通は覚えていないけれど、あの日 花火を見た翌朝に息子が生まれた。忘れるわけない。妻とお腹の中の息子と高台から見た遠花火。あの距離感が当時の僕にはちょうどよかったと思う。花火を見たというより、花火を見る自分たちを思い出に留めておきたかったような感覚があった。

「また家族で見にこよう」なんてベタなセリフを口にした。ベタだけど必要なセリフというのは意外とある。

 

今年は6年前と日にちと曜日が一致する年だった。ただのカレンダー上の巡り合わせだけれど、気軽に運命なんてものを感じてしまった。花火はいつ見たってきれいなんだけど、受け手の感受性が時代によって変化するのがこれまた面白い。父親になる前に見た花火と、家族と一緒に見る花火。どんなことを感じるんだろう。

 

 

娘は会場近くのお祭りムードが楽しいようで終始ご機嫌だった。あと30分後には絶叫しているとは夢にも思はない。

 



息子は、光の迫力よりも音の衝撃に驚いたらしい。音なのに耳じゃなく体が揺れるんだね、と息子が言っていた。確かに音だけど衝撃は耳じゃなくで体の芯にズドンと来るんだよね。その感覚を息子と一緒に感じることができて良かった。

 

 

帰ろう。息子も妻も僕も、みんなの総意だった。娘が怖がってるんじゃ楽しくないよね、と。会場の雰囲気、花火の光と音などを体中で感じることが出来たから満足だった。

妻は娘をおんぶして、そして息子はその様子を見たのか抱っこしてよ、とせがんできたので、しょうがないねぇと満更でもない顔で僕は抱きあげた。

 

娘は妻におぶわれるとすぐ眠ってしまった。昼寝をしていなかったし、初めての花火で色々疲れたんだと思う。時折振り返っては写真を撮った。会場の外でも十分きれいに見える。むしろこれくらい離れていた方が娘も楽しめたかも知れない。

 

車に乗り込み、しばらく走っていると、これから花火大会に向かう人たちとすれ違った。会場周辺の道は恐ろしく空いていた。なんてたって、花火大会はこれから盛り上がるってところだ。でも、初めての花火大会にしてはよかったんじゃないだろうか。

 

バイパスの高架に上がると街が一望できる。運転席からも花火を確認できた。

花火大会に行ったって思い出は普通だけど、途中で帰ったって思い出は結構いい思い出になると思うんだよね、こういうのも楽しいよね。そんな風なことを妻が言った。

「また家族で見にこよう」なんてベタなセリフを口にした。ベタだけど必要なセリフというのは意外とある。