娘が僕にくれたもの、頭痛とダルさ鼻づまり。一週間くらい前から続くゆるい風邪症状は娘とおそろい。文字で書くと大げさだけれど、よくある風邪だ。ただ侮ってはダメよね。
この日は、もう登園してもいいけど「念のため自宅で」とかかりつけ医の先生に言われた日。ゆえに娘は力が有り余ってる。親に風邪をうつせば子はだいたい元気。何よりだよ。この一週間、ずっと家の中に居て外で遊びたがっていたので、散歩を解禁した。
三輪車だから散歩というか、ツーリングなのか。秋の田舎道をゆく。午前中まで雨が振っていたけれどサァっとあがってくれてよかった。雨上がりはちょっと世間がきれいに見える。水たまりを見つけた娘が、そこを通ってくれとせがむので何度も行き来した。
あの家に入ろう、娘が指さす方には小屋がある。僕が子どもの頃からある小屋。自分の子どもに入ろうと誘われるとは思わなかった。なんの小屋なのかは知らない。
子どもの頃から見ている雑木林。この先がどうなっているかは知らない。
2011年、ほぼ同じ場所で撮っていた。NikonD5000 に35mmを付けていたらしい。やってることが変わってなくて安心する。
このコーディネートじゃねーと着ねぇ!と見事に最近頑固ちゃん。林家ペーパー見習いみたいな感じでやらせてもらっている。
途中で犬の散歩をしている人とすれ違った。娘は動物好きだけれど、わんこが思ったより大きくてちょっとビクビクしていた。レトリーバーのどれかだろうか。じーっと犬を見ている娘。その様子に気付いた飼い主の方が少し離れたところで「わんわん好き?撫でてみる?」と伏せをさせてくれた。僕にも「怖かったら無理させないでください、でも大丈夫ならどうぞ撫でて」と言ってくれた。飼い主の方、めちゃくちゃ人が出来てる。ワンコもいい子だった。
結局、緊張して撫でられなかったけれど、少し歩いては振り返り、歩いては振り返りを繰り返した。その度、飼い主の方とワンコも立ち止まって手を振ってくれたりした。人の優しさに気付けるのも、子どもといるからなのかな。きっとあの二人は相手が誰であろうと優しい気がする。涼しくなってきたせきか、人の温かさみたいなものがより際立つ。
そんないい話があった直後、娘が三輪車に飽きた。三輪車は持つことを想定していない。そんなことになるんじゃないかと、僕は少しだけ想定していたけどね。まったくーと思いつつも撮る。ヘマしたことも、やっちゃったことも撮っておけば失敗じゃなくて思い出になる。その方が人生たのしい。
突然、蟻の観察がはじまる。三輪車をおろして、娘と蟻の行く道を進む。
別に予定はないから好きなだけ蟻を追えばいい。結局30分くらいはここでみち草を食ってた。それもまた楽しいよね。写真を撮るならみち草食ってこそだと思う。そう意味では僕は草食獣だ。
愛のこもったヤレヤレを娘に撮られた。妻にこの写真を見せると「口元で考えてることわかる」と言われた。ヤレヤレだぜ。